会派の有志でニューヨーク視察を行いました。
①地域の歴史的建造物、公園の活用を資金的に支援する仕組みづくりや、 ②土地利用転換を含めた公共空間の活性化などが今回の主なテーマです。 いずれもブルームバーグ市政で大胆に進められた改革です。
ここでは一部のご報告になりますが、主な内容は以下の通りです。
初日は到着後さっそく①について、ブライアントパークなど賑わいの拠点になっている公園を回りました。 ここではBIDと呼ばれる手法で、マネジメント団体の活動を資金的にも支援できる仕組みが作られ、民間による持続可能な運営が行われています。
初日はその後、民有地を公共空間として提供することで容積率ボーナスを獲得し、高さ制限を克服する事例などを見て回りました。 トランプタワーもその一つでした。
2日目は②について、食肉市場跡地をお洒落なカフェや衣料品店が立ち並ぶエリアにリノベーションした事例や、 鉄道の廃線跡地を賑わい拠点に変えたハイラインの事例を確認しました。 ハイラインは高層建築物ではなく容積率の空中権を近隣企業などに売却することができるため、こうした手法も駆使して資金調達に成功しています。
2日目はその他、ブルームバーグ市政下で デザイン・建設局長をされていた方の事務所を訪問し、健康を促進する都市空間についてお話を伺いました。
3日目は、午前中ダンボ地区を中心に回りました。 ここはもともと人気(ひとけ)のない港湾地区でしたが、倉庫のリノベーションなどにより、今では市民憩いの水辺空間になっています。 ニューヨークに広がったプラザと呼ばれる取組(駐車場などを広場に用途転換してオープンカフェのようにくつろげる空間にしたもの)もここから始まりました。
午後はニューヨーク市役所に伺い、都市計画局、公園局の方々からお話を伺いました。 100万本植樹運動で高まった緑への思いを後々へ繋げていく市民参加型の樹木管理システムや、 コンクリート工場を憩いの空間に転換した事例などを伺いました。
4日目は午前中に、郊外のまちづくりを確認するため、スカーズデールという高級住宅街を、その設計者に案内していただきました。 アメリカでは日本と比べ、住民個人個人の意見よりも設計者や開発者の意向が強く反映されるようですが、 高級住宅街ではなかなかそうもいかず、 外壁のデザインから緑地の確保、道路の材質まで細部にわたって、時間をかけて住宅地開発を進めている事例でした。
4日目はそれまでで一番晴天だったため、午後はブライアントパークなど雨天時に訪問した箇所をあらためて回り、人出の大きな違いを確認しました。
5日目は本日ですが、日本に帰るため出国します。
ブルームバーグ市長のリーダーシップと強い意志が市民ニーズを牽引し、様々な手法で改革を実現していった様子が見てとれました。 横浜でも市内各所に賑わいの課題を抱えている場所がありますし、新市庁舎低層部は市民の賑わい空間になることが予定されています。 今後も都市空間のあり方について議論を深めていきたいと思います。